気胸は原因不明の病気ですが、なりやすい人、なりやすいタイミングが存在します。ここではそれを私の考えと医師や気胸人の言葉から総合的に判断し説明していきます。
背の高い人
背の高い人が気胸になりやすいとする説ですが、概ね正しいと言えるでしょう。概ねと付けたのは、背が高ければ高いほど気胸を発症するリスクが高まる訳ではないからです。例えば男性の気胸人に最も多い身長は174~182センチくらいなので、特別長身な人にばかり発症する訳ではありません。また最終的な身長とは別に、胴体や腕が細長い人や、1年間で12センチほどの急激なペースで背が伸びた人に発症しやすいのではないかと思います。これらの原因として、思春期の急激な骨格の成長に肺の成長が追いつかずブラができるという説があります。ちなみに私は1年間で身長が12センチ伸びた事があり、現在の身長は179センチです。
痩せている人
これはかなり気胸と関係します。原因は不明ですが、気胸は痩せ型の人に圧倒的に多いという事実があります。特にブラができるとされている思春期に脂肪が落ちた人、または痩せていた人が一番危ないようです。
喫煙
確実な危険因子です。なぜなら中高年で気胸を発症する場合の多くが喫煙による肺気腫からくる物だからです。元々健康だった人でも喫煙すれば気胸になる可能性が高くなる訳ですから、生まれつきの気胸人なら尚更危険です。もしあなたが喫煙者なら、今すぐタバコをゴミ箱にぶち込みましょう。
若い人
これも関係すると言えるでしょう。喫煙による肺気腫からくる中高年の気胸を除けば、気胸は圧倒的に若い人に発症します。特に17~22歳が発症のピークと言われており、この時期に気胸を発症した場合、私のように1年で5回気胸になる悲惨な人もいます。
小さいブラ
大きいブラより小さいブラの方が気胸を発症するという説ですが、真偽は不明です。ただ極端な話、ジャイアントブラ(極めて大きく肺にめり込むブラ)は意外にも気胸を発症しにくい事で知られています。対して最悪なのは小さいブラが複数あり、それが集まってブドウの房のようになっている状態です。6度気胸を発症した私の右肺はこのような状態でした。この場合高確率で再発しますので、CT(体の輪切り断面図)で1つの肺に複数のブラが見つかった場合は手術する事をお勧めします。
週末(疲労、ストレス)
金曜日や土曜日などの週末に気胸を発症する人が多いという説ですが、正しいと思われます。ただ正確には週末という時期が危険なのではなく、週末という疲労やストレスが溜まっている状態が危険みたいです。また実証する事は難しいですが、ストレスはブラの発生と破裂に深く関係するという説があります。実際医師によると週末に気胸になり受診してくる人が多いらしく、私も金曜日の夜に胸が痛くなり、翌朝完全に再発というパターンが多かったですね。無理は禁物という事です。
気圧の変化
台風などの低気圧により、相対的に肺の気圧が高くなり気胸になるという説ですが、疑わしいです。まず相対的に肺の気圧が高くなるという現象自体疑わしいですし、私自身台風が来た時や峠を通った時に再発した事は一度もありません。また幾度か飛行機にも乗った事がありますが、いずれも再発はありませんでした。ただし気胸を発症している時に飛行機に乗ると理論上危険ですので控えましょう。
季節
人によって気胸は夏に多いとか冬に多いとか言われていますが、季節で特別発症率が変化する事はないと思われます。気胸は1年中、24時間いつでも発症しうる病気です。また季節による気圧の変化という意味での発症ですが、気圧の変化は関係ないと前述した通りです。ちなみに私は春夏秋冬全ての季節で気胸を発症しました。
咳、くしゃみ
咳やくしゃみ、鼻をかむなど肺に圧力をかける行為が気胸を誘発するという説ですが、疑わしいです。むしろ金管楽器を演奏したりする方が肺に負担をかけそうですが、吹奏楽部に気胸が多いという事はありません。また私自身、咳やくしゃみをした拍子に気胸を発症した事は一度もありませんし、そのような生理現象で気胸になるなら安静にしていても遅かれ早かれ再発します。以上の事から、さほど気にする必要はないでしょう。
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