気胸の症状として胸痛や息苦しさなどがありますが、胸には心臓、気管、食道など様々な器官があり、胸の痛みだけではどこに原因があるのか分かりません。そこですぐ病院に行けない忙しい人向けに、気胸を見極めるポイントを記しました。ただし素人の自己判断は大変危険です。胸痛や息苦しさは命に関わる病気の場合もあるので、時間がある時に必ず病院へ行って下さい。
ポイント1胸から音
気胸患者がよく口にする症状で、胸からポキポキ、コポコポ、パキパキ、ポコポコというような音が聞こえるという物があります。この音は仰向けに寝転がった時に一番聞こえやすいです。ちなみに私が初めて気胸になった時、この音は肺から空気が漏れる音だと思っていました。しかしブラの穴が塞がり、肺が回復傾向にある場合でもこの音は止みません。なのでこの音は胸腔内(肺が収まる肋骨の内側の空間)で漏れた空気が移動する音だという説が有力です。また普通は呼吸に合わせて音がしますが、左肺の気胸の場合心臓の鼓動に合わせて音がする事もあります。重度の気胸だと音が聞こえにくい事があるものの、この音が聞こえれば100%気胸と言える代表的な症状です。
ポイント2独特な胸の感覚
気胸を発症している時に体を捻ったり前屈みの姿勢をとると、胸の中で何かが動くような感覚がある事があります。この感覚の正体は肺が胸腔内で動く事による物です。通常なら胸腔内は臓器で満たされているため、肺が動くような空間的余裕はありません。しかし気胸になると胸腔内に空気が溜まり肺が動く空間的余裕が生まれるため、このような独特な感覚を伴います。またジャンプしたり車に乗車している時など、体が揺れる環境に身を置いている場合も肺が動いて胸の不快感に襲われます。
ポイント3動くと痛い
気胸による胸痛は運動時など心拍数が上がるような事をすると強くなるという特徴があります。これは肋間神経痛などにはない痛みの出方なので、他の病気による胸痛と気胸を区別するポイントになります。ですから階段を上った後などに、胸の痛みが強くならない場合は気胸ではない可能性が高いです。
ポイント4うがい
気胸になると肺活量が通常より少なくなります。ただ呼吸は無意識的に行われるため、いつもの自分がどれくらいの肺活量かは分かりづらい物です。それを分かりやすく確認するため、うがいをしてみると良いでしょう。いつも通りうがいができるなら気胸だとしても軽度、途中で息が詰まるように空気を吐けなくなるようだと中度、少し空気を吐いただけで咳が出てうがいができないようだと重度の気胸が疑われます。
補足
その他のちょっと変わった気胸の症状として、肩の鈍痛や肩甲骨辺りの痛みがあります。ただこれらの症状は両者共に気胸と関係しない場合がよくあります。例えば肩凝りだったり、胸椎椎間関節症だったりです。また肋間神経痛を気胸と勘違いする人もかなり多いので、胸痛を全部気胸と結びつけてビクビクするのは止めましょう。再発に敏感になり過ぎると心まで病んでしまいますから。
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